先日、私の働く会社で退職代行業者を使い、退職の申し出をしてきた社員がいました。

上司に会いたくないので退職代行を利用した。
とのこと。
個人的には、人間関係が嫌でどうしても辛いのであれば退職も仕方ないと思います。
心や身体を壊してまで続けるものではありません。本当に嫌ならしょうがない。
ただし、
転職先が決まっておらず、
かつ税金や年金・社会保険について何も知らないまま退職するのは要注意!
何が注意かというと、納めるべき税金や年金・国民健康保険の処理を正しく行わないと、後の人生にとって致命的になる恐れがあるからです。
今回の退職希望の社員も、転職先が決まっておらず、税金や年金・社会保険について何も知らないまま退職するつもりでした。
退職は残念だけど、税金や年金・社会保険について何も知らないまま退職するのは本人にとってもよくないという事で、
その社員の退職手続きは上司とは会わせずに、労務担当を通じて必要な手続きについて説明を行いました。
その社員は職場の人たちのことは嫌だったかもしれませんが、退職手続きの説明に対しては
「教えてもらって助かった」と感謝をしてくれました。
そんな経験から今回は、退職する前に知っておくべき4つの手続きについてまとめます。
基礎の基礎なので、
退職を考えている人は、要チェックです
目次
転職先が決まっている場合は、その会社が対応してくれる
まず、退職後に次の転職先が決まっている場合は簡単です。
以下の書類を転職先の会社に提出するだけ。
あとはその会社の人事や総務などの部署の人が対応してくれます。
入社後に書類を提出すればOK
・源泉徴収票
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・健康保険被扶養者異動届(扶養義務のある人のみ)
転職先が決まっていない場合は、自分で手続きする
転職先が決まっていない場合は、自分で手続きを行わなければいけません。
自分で手続きをしなければいけないもの(転職先が決まっていない場合)
・住民税の納付
・年末調整
・国民年金の加入手続き
・国民健康保険の加入手続き

となりますよね。一つ一つ見ていきましょう。
退職後の住民税の手続き
住民税は、前年度の税額を、今年6月~翌年5月に毎月の給与から天引きする後払い方式です。
会社に入社して2年目になると、急に給与の手取りが減りますよね?
それは、住民税が後払いで引かれているためです。
退職時には、前年度分の残高を最後の給与から一括納入するのが原則となっています。
ただし、6月~12月の間に退職すると残額が大きく負担になるため、分割で納入することもできます。
分割納入を選んだ場合は、自治体から住民税の請求が届くので自分で支払いを行います。
住民税の納付
基本的には退職時に給与から一括納入する。
ただし、6~12月に退職するなど残額が多い場合は分割で納入もできる。(その場合は自分で納入)
退職後の年末調整の手続き
所得税は毎月、ざっくり計算した税額を給与天引きしています。
11月頃になると、会社が年末調整で正確な金額を算出し、余分に支払った分があれば払い戻してもらえます。
下記の記事では年末調整について、より詳しく解説しています。
会社を退職して、離職期間中に年を越した場合は自分で確定申告して、余分に支払った分を払い戻ししてもらうことができます。
ただし、その際には勤めていた会社から"源泉徴収票"が必要になりますのでお忘れなく。
年を越さずに年内に再就職した場合は、その会社に源泉徴収票を出せば、会社側で年末調整をしてもらえます。
年末調整
以前に勤めていた会社からの源泉徴収票が必要になるため、必ず退職時に依頼をしておく
国民年金への加入手続き
会社勤めの時は、厚生年金保険に加入していますが、
離職期間がある場合、
退職から14日以内に、住所のある市町村役場に行って、国民年金への変更手続きを自分自身で行う必要があります。
厚生年金保険から国民年金に切り替えるイメージですね。
国民健康保険の加入手続き
会社勤めの時は、健康保険に加入していますが、
退職によって被保険者ではなくなってしまうため、健康保険証は勤務先へ返却しなくてはいけません。
また、離職期間がある場合、
退職から14日以内に、住所のある市町村役場に行って、国民健康保険の加入手続きを自分自身で行う必要があります。
健康保険から国民健康保険に切り替えるイメージです。
※健康保険と国民健康保険は名前が似ていますが別物
退職は、転職先を決めてからがおすすめ
いかがでしたでしょうか?退職後に手続きしなければいけないことって結構多いですよね。

という人もいるかもしれません。
冒頭にもお伝えしましたが、どうしても会社にいると辛く、苦しいのであれば退職するのは仕方ないと思います。
自分自身の心や身体を壊してしまっては元も子もないので。
ただ、できるのであれば新たな転職先を見つけてから退職を申し出る方が気持ち的に楽な場合もあるかもしれません。
新たな就職先が決まっていることで、
①税金や年金の手続きは転職先の会社が行ってくれる
→会社の中の専門部署が対応するので、手続きで漏れが起きることはほとんどない。
②退職する旨を会社に伝えるときも、次の就職先が決まっていれば辞めやすい。
→「次の就職先も決まっている」と言えば、上司も強く引き止められません
というメリットもあります。
そんな余裕もなく、心も身体も限界だ!という人は、まず休みましょう!
そして退職後にどういった手続きが必要になるか調べる際に、本記事の内容がお役に立てば幸いです。
それでは!