皆さんは医療保険やがん保険に加入する際、「先進医療特約」について案内を受けたことがあると思います。
ただ、「先進医療ってどういうものか説明できますか?」と聞かれたらどうでしょう?
(あれ?説明を受けたはずだけど何だっけ?)
(最先端の高度な医療を受けられることだったような?…)
と、うまく答えられなくなったりしませんか?
保険は万が一に備えて必要と思います。ただ、なぜ加入しているのか、必要なのかを理解しないまま何となく保険に加入することは絶対にやめた方が良いです。
保険が使えると思っていたのに、実際に病気や事故になったときに保障の対象外であったり、
加入したときは何となく理解してたつもりだったけど、よくよく考えてみたら必要なかった!
なんてことは多いと思います。
結論、先進医療は「最先端の高度な医療を受けられる」ものではありません。
「えっ?」と思った方!今回の記事が保険内容を見直してみるキッカケになると思います。
目次
先進医療とは
先進医療とは、「高度な医療技術を用いた治療のうち、厚生労働大臣から承認を得たもの」です。
分かりやすく言うと、効果があるかどうかは検証中の保険適用になっていない医療と覚えておけば大丈夫です。
ポイントを3つご紹介します。
ポイント① 健康保険適用外
先進医療は健康保険の適用外です。そして、治療内容によっては200万円~300万円くらいかかります。
以前に私のブログでご紹介した高額療養費制度も適用になりません。
保険屋さんはそこに注目して、先進医療を受けた際には費用が掛かるから先進医療特約を付けた方がいいですよ!と勧めるわけです。
ポイント② 先進医療は「お金持ちだけが受けられる、最先端の特別な医療」ではない
ただし、ここで押さえておきたいポイントは、効果が完全に認められている医療であれば健康保険の適用になるということです。
つまり、高額な医療費を支払っても絶対に治るとは限りません。
先進医療 = 『お金持ちが受けられる、最先端の、特別なもの』ではないのです。
ポイント③ 先進医療を受けられる場所は限られている
先進医療は、どこの病院でも受けられるものではありません。
例えば、がん治療に使われる陽子線治療と重粒子線治療が受けられる施設は全国に23か所しかありません。
どれくらいの人が先進医療で治療を受けているのか
陽子線治療、重粒子線治療の場合
先ほども挙げた、
・陽子線治療
・重粒子線治療
を例にして、どれくらいの人が先進医療で治療を受けているのかを計算してみるとがん患者の内、約0.2%となります。
『H30年の粒子線治療 6,452件 ÷ 国内がん患者 3,000,000人 = 0.2%』
日本人の内、0.2%ではありません。がん患者の内、0.2%です。確率だけでいえば相当低いと言えるでしょう。
※H30年の粒子線治療件数は公益財団法人医用原子力技術研究更新財団より
※ちなみに今回、なぜ陽子線治療・重粒子線治療を例にしたかというと、先進医療の中でも特に医療費が高額(200~300万円)だからです。
先進医療特約の保険料
先進医療特約は医療保険やがん保険にプラス100円程度で加入できる値段としては安い保険です。
ちなみに単独で先進医療に単独での加入はできないため、医療保険やがん保険へ特約として付帯する必要があります。
保険加入する際は本当に必要かどうかを整理してみる
保険というものは、本来万が一のリスクに備えるためのものです。
ただ、以前の私もそうでしたが、皆さんも保険屋さんでスタッフの方から説明を受けてた際、よくわからないまま何となく加入しているということがあるのではないでしょうか?
先進医療を受ける確率は、がん患者の0.2%です。(粒子線治療の場合)
先進医療特約は月額100円程度の金額しか支払わなくて済みますが、
実際に先進医療の治療を受ける確率はかなり低く、かつ治療を受けたとしても100%治るとは限らない。
それを踏まえても、やはり不安だから加入しておこうというのであれば、全く問題いないと思います。
ただし、
・保険屋さんで勧められて何となく加入している、
・どのような場合に使える特約なのかよくわかっていない(あるいはよく覚えていない)
という方は、一度本当に必要なものかどうか整理してみてはいかがでしょうか。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。